ドレミ株式会社様のセッションと施設を見学させていただきました。

 ドレミ株式会社様は、日本音楽療法学会副理事長である猪之良高明先生が代表をされている会社で、「音楽でみんな笑顔になれる」を理念として掲げ、音楽療法センターや放課後等デイサービスを営まれています。群馬県太田市を中心とした地域で、子どもから高齢者までの幅広い世代の方々に対して、音楽と福祉の事業を展開されています。
 2023年2月17日(金)、音楽療法専攻4年生の学生たちがセッションと施設の見学をさせて頂きました。高齢者を対象とした音楽療法セッションは、歌あり、楽器演奏あり、体操あり、クイズや頭の体操も盛り込まれていて、参加している方々全員の心と身体が活き活きと動き出す様子がとても印象的でした。
 午後には施設を見学させて頂き、その後猪之良先生から、起業して音楽療法事業を展開されてきたご経験をお話頂きました。学生たちからは、「音楽療法士として仕事を得るために必要なことを考えるきっかけになった」「経営という視点でお話を伺えたことが非常に興味深かった」「人とのつながりの大切さを学んだ」等の声がたくさん上がりました。
 今回の見学は、学生たちの将来に大きな影響を与えて頂いたと感じています。改めて、猪之良先生はじめドレミ株式会社の皆様に心から御礼申し上げます。

木下容子

猪之良高明先生と音楽療法専攻4年生たち

学内実習発表会?卒業論文発表会を終えて

音楽療法専攻の学生は、3?4年次に音楽療法の実習に取り組みます。児童?成人?高齢者の各領域で実施される対面セッションや遠隔セッションに日々参加し、臨床の基礎を学んだり技術を高めたりしています。音楽療法専攻はこの「実践」とともに、音楽療法の「研究」にも取り組みます。「実践」と「研究」の両輪は、素晴らしい音楽療法士に近づくためにどちらも必要なものなのです。
2023年1月30日に、学内実習発表会(3年生)と卒業論文発表会(4年生)を合同で行いました。
学生たちは、音楽療法の中で興味のあるテーマを自分で探し、1年間リサーチを続けて論文を執筆していきます。テーマの探求はとても難しい作業ですが、学生たちは自分で先行研究論文を探したり質問紙調査を行ったりします。最終的にそれを論文としてまとめ上げ、専攻内で発表するという流れがあります。
今年度も、3?4年生全員が独自性のあるテーマで堂々と発表してくれました。
1?2年生は、先輩たちの発表を聞いて素朴な疑問を投げかけてくれたりと、有意義な質疑応答が行われました。後輩たちにも良い影響を与えてくれたこの発表会は、4年生が卒業後も研究を続ける礎となることでしょう。

GIMセミナー&体験会に参加して

私は今回、音楽療法の理論のひとつであるGIM(音楽イメージ誘導法)の学生向けセミナー&体験会に参加させていただきました。
GIMとは、リラックスした状態でクラシック音楽などの既成曲を聴くこと主体としている技法です。音楽を聴いている際に浮かんでくるイメージを基に、セラピストとクライエントが一緒に心の症状の改善について考えます。

私が大学2年生のときにこの理論については座学で勉強しました。ですが、言葉の説明のみではGIMという技法を今ひとつ体感出来なかったのと、純粋にどのような形式でセッションを行うのか興味があったため参加することに決めました。

セミナーでは授業で学んだことに加えてより詳細にGIMという技法の成り立ち等を聞くことが出来ました。説明を聞いていく中で1番印象に残ったのは、「答えは個人の中にある」という言葉でした。
普段生活していて、ストレスが溜まったり、無意味に不安になったり等、様々な心の症状を抱えることは誰にでもあると思います。
それを解決するために自分なりに対処してしまいますが、その症状や問題の根底は心の奥底にあり、それは他人にも自分でも意識できていない部分だということ。
それを、GIMを通して浮き彫りにし、その原因に対しての意識や見方を変化させ、日常生活をよりよく生きようというものでした。
音楽療法の対象となる方は、高齢者?精神化?児童と大まかに枠組みが出来ているイメージがありましたが、我々のような健常者と呼ばれるような人間でも日常生活で少し生きづらいと思うことがあれば、このGIMという技法で改善できるのではないかと感じました。
また、実際のGIMのセッションを体験することもできました。
睡眠でも催眠でもない変性意識状態という不思議な状態になり、目をつぶって音楽を聴くと自分が体験しているようなイメージも出てきました。
そのイメージを先生に読み取っていただき、今の自分に何が必要なのか、そのイメージから何が連想されるのか話していただいて体験会は終わりました。
夢とは違った不思議な感覚を経験することが出来ました。

今回のセミナーを通して、音楽療法の理解を少し深められたと思います。
実践だけではなく、このような勉強会を通し知見を増やして、今後の自分に生かしていきたいです。

(4年生 中村凜)

コロナ後、初のボランティアに参加して

澳门百利宫官网_百利宫赌场平台¥注册网址の感染拡大以前は盛んに行われていた音楽療法専攻学生のボランティアですが、感染症対策のために外部の立ち入りに対する規制が厳しい施設が多くなり、当面の間、ボランティア活動ができずにいました。
今回、卒業された先輩からお誘いがあり、コロナ以前にもボランティアに行かせていただいていた高齢者のデイサービスにボランティアに行くことができました。
昨年度から音楽療法実習で高齢者のデイサービス施設と遠隔でのセッションはさせていただいていましたが、実際に対面してセッションを行うという経験は私にとってほぼ初めての経験でした。緊張ももちろんありましたが、「やっと直接対象者の方々と会ってセッションができる」という期待が大きかったです。
実際にセッションをやってみて、Zoom越しでは感じ取れなかった対象者の表情や目線、その場の空気を感じることができ、同じ空間で同じ音楽を楽しめることの喜びを改めて感じました。
またセッション以外の普段の様子を見ることができたり、セッション後にほんの少し直接お話することができた時間が、遠隔では作りにくい時間であるためもどかしくも感じますが、対象者の方を知るきっかけになる大切な時間だと思いました。
今後も感染症対策を充分に行いながら、積極的にボランティアに参加し、経験を積んでいきたいです。

(4年生 木村紗彩)

音楽療法専攻の実習が2022年度も始まりました

 音楽療法専攻の実習は、コロナ禍のため今年度も対面実習と遠隔実習(オンライン形式?オンデマンド形式)の両方で実施することとなりました。それぞれのチームでの実習がはじまり、3、4年生は複数の実習に入って頑張っています。
 対面?遠隔での実習は、形態は違えど学ぶことは多く、学生たちは対象者や目の前の課題に日々真剣に取り組んでいます。
 写真は、対面実習の練習風景です。

卒業論文の執筆を通して感じたこと(新山広花?音楽療法専攻4年生)

 私が卒業論文執筆を通して感じたことは、他人の視点の大切さです。
 研究を進めていく中で他者、特に同級生2人には意見をもらいながら進めることが多々ありました。他者からの意見には自分にはない着眼点や気づきも多くあり、毎回沢山の学びがありました。しかし、本格的にそれぞれが文章を書く頃は個人で作業することが増えたため、2人から意見を聞く機会は減ってしまいました。ゼミ担当の先生とは作業を進める過程で意見を頂くことがあり、そこで気づくことも多々ありました。しかし、もっと多くの人に意見を求めていれば他にも沢山の知見を得られたのではないかと思っています。今後は、積極的に他者に意見をいただく機会を設けていきたいと感じています。

 また、私は研究の中で質問紙調査を行いました。その結果を集計する中で、1つのことでも様々な方法や意見があるのだと改めて感じました。普段物事を考えたりするうえで、自分自身が知っている方法等にとらわれがちですが、研究をし、他人の意見を知ることで新しい知識を得ることができ、とても興味深いと思いました。今後は、得た研究結果を留めず、発表等で他の人へも広げていきたいです。

 約1年間、研究をする中で上手くいかない部分や後悔したこと、大変だったことも多々ありましたが、改めて新しいことを知ることや研究の面白さを感じた1年だったと思います。私の今年度の研究は、まだ最終的なゴールにはたどり着いていません。そのため、今後も研究を続け、ゴールにたどりつけるようにしたいです。そして、それが音楽療法の発展や、音楽療法に関わる人の新しい知識に繋がれば幸いです。

卒業論文執筆の感想(鎌倉 萌菜穂?音楽療法専攻4年生)


今年の卒業論文執筆を通して、沢山の「上手くいかないこと」を経験しました。
昨年度の反省から、卒業論文の執筆は計画的に進めて、余裕を持って発表まで臨みたいと心に誓った1年前。有難いことに音楽療法学会での発表の機会をいただけたり、大学の行事を行えることになったりと年明け前は忙しく、いい意味で計画が崩れていきました。年が明けても、分析後に結果のデータを入れ忘れていることに気がついたり、考察を書き始めてから参考になる学会誌の文献を見つけて読んだり…振り返ってみると本当に「上手くいかないこと」ばかりだったように思います。
そんな中でも、どうにか形にして提出することができました。その時に”全ては上手くいかなくても、限られた時間の中で自分の納得のいくものをつくりあげることは可能なのだ”と感じました。
卒業論文を執筆していなかったら気づけなかったこと、得られなかったことは沢山あります。その中でも1番の気づきは『頑張ればこんなにも自分はできるんだ!』ということです。自分の中に眠っていた底力に驚いていると同時に、自分自身についても改めて知ることができました。絶対に上手くいかないと思っていた研究、計画通りにできない不安、苦手だった人前での発表など、悩みながらも何とか乗り越えられました。また、考察を書いている途中では、道筋を立てて論理的に自分の考えを述べることは、すごく楽しいと思い、意外と私は研究が好きだなと実感することもできました。
今回のテーマは今後の音楽療法にも焦点を当てた研究だったこともあり、卒業後も音楽療法の発展や普及、対象となる方への様々な音楽療法の提供の為に実践を重ねて、この音楽療法という分野を学び続けたいと強く思いました。

埼玉大会印象記

少し前になりますが、昨年11月27日に、日本音楽療法学会関東支部が企画する地方大会(埼玉)が開催されました。この大会は、関東支部の各県が毎年持ち回りで開催する大会です。埼玉県は、2020年11月に開催する予定でしたが、コロナの影響で1年延期となり、2021年11月の開催となりました。対面(直接会場に来て学ぶ)とオンラインのハイブリッドを予定しておりましたが、残念ながら対面は難しく、発表者のみ会場に集まり、参加者はオンラインになりました。
私は、研究員の飯島千佳さんと運営に携わりました(発表された学生さんと先生方の詳細は過去ダイアリーをご参照ください)。オンラインとはいえ、発表者は会場に集まるため、ハイブリッドに近い形の運営です。専門業者が入らない中、詳しい先生方のお知恵をたくさん頂き、また、Wi-Fi環境を整え、さらに何度も事前練習をしました。が、当日は予期せぬことが多々あり、参加者の皆さんにたくさんご迷惑をおかけ致しました。今まで経験したことのない緊張感と焦燥感がありましたが、オンラインの向こう側にいる参加者の皆さんから多くのヘルプとご意見を頂き、みんなで一緒に会を作っているという雰囲気になり、それがとても助かったし、嬉しかったです。また、埼玉県でご活躍されている音楽療法士の皆さんが実行委員として運営に携わってくださったのですが、皆さんとの交流や埼玉愛を深めることができました。学校と地域の実践現場、そして音楽療法士が今後ますます、一層、さらにつながったり深まったりできたらいいな、そんなことを感じる大会でした。
(高畑敦子)


写真は、左:研究員の飯島千佳さん 中央:高畑敦子先生 右:ミュージックセンター講師の和田京子先生

第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)で口演発表しました

音楽療法専攻4年生の鎌倉萌菜穂です。
前回の日本音楽療法学会学術大会に引き続き、昨年執筆した研究論文の第二報を「第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)」に応募したところ、採択され口演発表の機会をいただきました。

無観客オンラインでの開催でしたが、発表者や運営委員の方々など関係者は会場にいらしたため、私にとって学外で初めての対面発表の場でした。
今回は、前回のポスター発表とは異なり、実際にPowerPointのスライドを操作しながら行う口演発表に挑戦しました。それに伴い、スライドに話す言葉を合わせて、聞き手が聞きやすく、理解しやすい発表を目標に準備?発表をしました。zoomの画面越しでは、参加者のビデオがオフになっており、表情など見ることが出来ないので反応が分からないことを不安に感じていました。しかし、少人数とはいえ対面で表情が見られ、雰囲気も感じ取れる会場の空間があったことが、安心感につながりました。

また発表後、対面で聞いてくださった先生方からの言葉を直接聞くことができたことが1番の財産になり、非常に有り難く、嬉しかったです。改めて、激励の言葉をかけてくださった先生方、本当にありがとうございました。
発表後は、オンラインで参加することができました。zoomに接続できる媒体や環境があれば、何処からでも参加することができることが、オンライン開催の良い点だと思いました。

学生にとって学会の大会は、大学の学びとは少し異なった学びの場であり、「興味の幅が広がるな」と参加するごとに感じています。また私が発表したのが、学生等の音楽療法ビギナー向けの枠でしたので、同世代からの良い刺激をいただくことができました。これを糧に今後も音楽療法を学び、研究?実践していきたいと思います。

最後に、様々なアドバイスをしてくださり、発表当日も温かく見守ってくださった先生方、研究協力をしてくださり発表にも同意してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)が開催されました

落ち葉が舞い散る季節となった2021年11月27日、第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)がオンラインで開催されました。

本大会は、対面とオンラインのハイブリッド開催が直前まで検討されていましたが、感染症拡大防止の観点からオンラインのみでの開催となりました。
発表者だけが浦和にある埼玉会館に集まり、そこから配信する運びとなりました。

大会シンポジウム「職業としての音楽療法を確立するために」には、本学の二俣泉先生が指定討論者、私木下容子が進行役として登壇致しました。
音楽療法士の多様な働き方や価値観を参加者と共有し、非常に有意義な時間となりました。
オンラインでの参加者からは<チャット機能>を使って質問を受けたため、対面と変わらぬ熱量で活発な討議が繰り広げられました。

本大会には、音楽療法専攻の学生も口演発表者として登壇致しました。
追ってご報告させて頂きます。

木下容子