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　10月、沖縄の小学校での演奏会。少ないメンバーで、内容と脚本、台本と構成?演出、曲選びや楽譜作り、衣装や小道具など全てを0から考え、演技や演奏の練習を重ねた。
　半年間という長いようで短い期間で、これらを作り上げることは決して容易ではなかった。そのため授業外の時間も使い、それぞれ個々でも進めていった。
　最初のテーマ決めで、6人でやりたいものの案を出し合ったところ、ディズニー映画に関連したものの希望が多かった。そこにピクサー映画やハリーポッターなども加えた結果、世界旅行をしながら色々な映画の世界を周っていく、というストーリーが完成した。タイトルは「音楽はどこまでも」。世界中でどの国も音楽は必要とされていて、これから先もなくてはならないもの。そんなかけがえのない音楽というものをずっと好きでいてほしい。そんな思いを込めた作品となった。全員で一生懸命に試行錯誤した結果、自信作と胸を張って言えるほどの、素晴らしい作品を作り上げることができた。
　また、小学生である生徒を飽きさせないよう、歌だけでなく多くの楽器を取り入れてみたり、衣装を何度も変えてみたりと、様々な工夫で盛り上げようと試みた。小学生とのコラボレーションもいくつか考え、ハリーポッターの場面ではみんなで一緒に呪文を唱えたり、ブラジルの場面では一緒にポルトガル語を練習したりした。そして生徒だけでなく先生方も巻き込み、一緒に歌ったり踊ったりもした。
　しかし少ない人数のため、どうしても話の展開ごとに間が空いてしまうことが課題であった。そのため、次の国に行く際もすぐに転換できるよう、なるべく着替えをスムーズに行ったり、先生方のお話で繋いでいただいたりと、様々な工夫をした。直前まで話し合いを重ね、無駄な動きを減らすことで、少しでも長く楽しんでもらえるよう努めた。
　こうして迎えた本番では、子どもたちの元気と笑顔に勇気をもらい、最後まで全力で楽しむことができた。多少のハプニングはあったものの、それぞれのアドリブカが高く、連携しあって乗り越えることができ、とても誇らしい気持ちでいっぱいだった。最後のアンコールのダンスでは、見本として踊っている段階でも小学生や先生方が立ち上がって一緒に踊ってくれ、とても感動した。「また来年も来てほしい」というお言葉をいただけたほど、大成功で幕を閉じることができた。
　そして、もう一つ楽しかった出来事がホテルのロビーでの演奏会である。先輩方から「ロビーにピアノがあり、そこでゲリラライブをした」という話を聞いていたので、他の楽器も使って演奏をさせていただくことになった。1日目は時間がなかったため、本番後の2日目の夜に行うことになった。本番が終わったことによる安心感により、それぞれの演奏をじっくりと聴くことができたり、台詞や動きを気にせず心の底から音楽を楽しんで演奏ができたりと、本当に楽しいものだった。修学旅行で来ていた高校生と一緒に踊ったのもいい思い出だ。笑顔で始まった演奏会だったが、気付いたら感動して涙をこぼしていた。今まで頑張ってきた達成感と、終わってしまった寂しさを感じ、本当に充実した半年間だったと改めて感じた。
　私はこのメンバーでやり遂げられたことが何よりも嬉しかった。6人という少ない人数ではあるが、1年生の頃から築き上げてきた仲の良さとチームワークが成功の鍵となった。もちろん大変なことも多く、個性が強い6人で、ぶつかってもおかしくない状況だった。それでも最後まで衝突することなく、お互いを尊重し合い、このメンバーにしかできない唯一無二の演奏会を作り上げることができた。誰か1人でも欠けてしまったら、このパフォーマンスは成し遂げられなかっただろう。このメンバーでこの演奏旅行ができたことをとても誇りに思う。改めてメンバーである5人と先生方に感謝の意を表したい。

学生のレポート